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大阪の住まいやまちづくりをテーマにした大阪くらしの今昔館へ行ってきた

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ひらたけ

大阪の「住まい」を中心に、「暮らし」から「まちづくり」までをテーマにした歴史ミュージアム 大阪くらしの今昔館へ行ってきました🥷 以前からその存在は知っていたものの、関西の外から引っ越してきた私は「行くのはもっと大阪のことを知ってからにしよう」と考え、これまで足を運んでいませんでした。

実家を出て、大阪の地に住み始めてから 6 年半。このウェブサイトの過去の投稿でも書いている通り、大阪の街のいろんなところを訪れたり、歩いたりしてきました。そろそろいいんじゃないか?ということで、大阪の歴史に触れるべく 大阪くらしの今昔館 を訪れました。


大阪くらしの今昔館があるのは、地下鉄谷町線・堺筋線と阪急千里線の天神橋筋六丁目駅からすぐの場所。市役所や区役所なんかを思わせる、年季の入ったちょっとお硬い雰囲気のある建物の上層階に大阪くらしの今昔館があります。

大阪くらしの今昔館の写真

歴史系の博物館ということで、だいぶ真面目よりな施設なので人はそれほど多くないのかな?と考えていたのですが、思っていたよりもかなり多くの人が訪れている状況。子供連れのご家族の姿が多いのは予想通りではありましたが、大阪城 や道頓堀、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン といった大阪の主要観光スポットからも離れているにも関わらず、意外と外国人の姿が多く見られました。

チケットは 1 枚 600 円。現金のほか、クレジットカードや PayPay などのコード決済、楽天 Edy や iD など様々なキャッシュレス決済にも対応。交通系 IC カードでの支払いには対応していないので注意が必要です。

大阪くらしの今昔館の常設展「なにわ町家の歳時記」の写真

私が大阪くらしの今昔館を訪れたタイミングでは、開催されていたのは常設展のみ。第一展示室の「なにわ町家の歳時記」と第二展示室の「モダン大阪パノラマ遊覧」の 2 つの展示を見て回ることになります。

入ってすぐのところにある階段とエスカレーターを通って、まずは最上階の 10 階へ。大きな窓が設置されたこのフロアからは、9 階につくられた天保年間(1830 年代)の大坂の街並みを実物大で再現したという、まるで時代劇のセットのような街の様子を一望できるようになっています。

実物大の街並み「大坂町三丁目」を眺めていると、耳から入ってくるのは人間国宝で落語家の桂米朝さんによる解説。屋根の上にある天窓は台所の煙出しの窓であることや、大きな火の見櫓が設置されている建物は役人が町内の用務を執る町会所であることなど、街についての説明が聞いていて心地の良い声で話されていました。

大阪くらしの今昔館の常設展「なにわ町家の歳時記」の写真

上から街並みを眺めた後は、実際に「大坂町三丁目」の中を歩くことになります。街の入口である木戸門をくぐると、もうそこは江戸時代の大坂の街。メインストリート沿いには建具屋、呉服屋、本屋、薬屋など様々なお店が並んでいます。

江戸時代といえば鎖国をしていて外国との交流が制限されていた時代ですが、その間でも中国やオランダとの貿易は長崎の出島にて行われていました。そこから入ってきた品々を売る「唐物屋」というお店もあり、当時の日本では珍しかった調度品や工芸品が並べられています。

一般の庶民が利用する公衆浴場「風呂屋(江戸では銭湯と呼ばれる)」では、江戸時代の暮らしを映像で楽しく学ぶことができる「風呂屋シアター」を上映。どの建物も非常に細かいところまで作り込まれていたり、メインストリートから細い路地を抜けていくと祠や住宅があったりと、想像以上に「タイムスリップしてる感」があって驚きました。

大阪くらしの今昔館の常設展「モダン大阪パノラマ遊覧」の写真

昔の大坂の街を歩いた後は、もうひとつの展示「モダン大阪パノラマ遊覧」へ。ここでは明治の文明開化から大正・昭和にかけての大大阪への発展、戦災と戦後の復興への歴史などの展示がされています。

こちらの展示も、先ほどの「なにわ町家の歳時記」と同じく凝った内容のものが多く、ボタンを押すとからくり仕掛けが動きと光、それから説明の音声によって当時の様子などを伝えてくれます。

大阪天満宮のある大阪市北区天神橋にある歴史ミュージアムということで、毎年 7 月 24 日から 25 日にかけて行われる大阪で最大規模の都市祭礼「天神祭」についての展示も用意されていました。

天神祭では、最終日に大川と堂島川で繰り広げられる「船渡御」をもってクライマックスを迎えるそうで、展示は大正 10 年に描かれた絵巻物をもとに再現した天神祭の船渡御風景とのこと。カンカン帽に洋服を着た人々、蒸気船、川沿いに建ち並ぶ近代建築など、当時の雰囲気があふれる模型が川のように細長いスペースに並べられていました。

大阪くらしの今昔館の常設展「モダン大阪パノラマ遊覧」の写真

現在も大阪のシンボルとして新世界にそびえる 通天閣。1903 年(明治 36 年)に開催された第 5 回内国勧業博覧会の跡地利用について、大阪市は東半分を 天王寺公園 として整備。残りの西半分の開発は民間に委ね、一帯を従来にない健全娯楽地となす方針を定めました。

この構想を受けて「大阪土地株式会社」という会社が設立され、シンボルタワーである「通天閣」と遊園地「ルナパーク」を中心に、パリとアメリカを連想する一大歓楽地「新世界」を建設。1912 年(明治 45 年)に開業しました。

現在の通天閣は 2 代目で、第二次世界大戦後に再建されたもの。ルナパークという遊園地も存在せず、私もそのような遊園地があったことを知らなかったのですが、開業当時のパノラマ模型が展示されており賑やかで楽しそうな雰囲気が伝わってくるようでした。

ルナパークのシンボルタワーであったホワイトタワーは通天閣とロープウェイによって結ばれており、これは大阪発のロープウェイとのこと。内部に休憩所や遊戯場があり、ライトアップされた滝が名物だったそう。

大阪くらしの今昔館の常設展「モダン大阪パノラマ遊覧」の写真

展示室の床には「大阪市パノラマ地図」と書かれた、大きな地図が描かれています。こちらは 1923 年(大正 12 年)の大阪市街地を描いた鳥瞰図とのことで、東西方向と南北方向にまっすぐ伸びる道によって区切られた規則正しい町割であったことが分かります。南の方にはなにわのシンボル・通天閣も描かれています。

この 2 年後の 1925 年、大阪市は周辺の町を合併して面積 181 平方キロメートル、人口 211 万人となり、東京市を上回る日本一の大都市となりました。世界でも 6 番目に人口の多い都市となった大阪は大大阪と呼ばれ、この時代を大大阪時代というのだそう。

大阪くらしの今昔館の常設展「モダン大阪パノラマ遊覧」の写真

他にも様々な模型が並んでいて、どれも興味深いもの。たくさんの模型が並ぶ中で、ふと目についたのは展示室の隅の方に展示されていた立派なステンドグラスとシャンデリア。こちらは 1921 年に竣工し、1982 年に現在の建物への建て替えに伴い取り壊された 3 代目大阪市庁舎に設置されていたものとのこと。

ステンドグラスには大阪市の市章にも用いられている 澪標(みおつくし) が中央に据えられ、両側にリボンで束ねた月桂樹が描かれたデザインとなっています。

常設展「モダン大阪パノラマ遊覧」を見終え、展示室の外へと出たところでは「大阪百世」という大阪 400 年の記憶をたどる VR 体験ができる企画が実施されていました。私は VR も FPS などの 3D ゲームもプレイできないほど三半規管が弱いため体験することはできませんでしたが、こうした新しい技術を使って展示内容をアップデートし続けているのはすごいなと思いました。


大阪くらしの今昔館へ行ってきましたが、感心するほどに凝った展示内容が多くて想像以上に楽しめました。これまでに大阪の街を歩き回ったからこそ感じられる現在の大阪の街との違いなどもあり、訪れてよかったなと思いました。

天保年間の大坂の街並みを実物大で再現した「大坂町三丁目」では着物体験(1,000 円)も用意されていて、着物を着た人たちがあちこちで見られたのも本物感を味わえて良かったです。海外からのお客さんが多いのも、こういった体験があるからなのかも。