広島の繁華街である紙屋町・八丁堀から広島駅までを徒歩で行く
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先日、広島を訪れた際に 広島の繁華街である紙屋町・八丁堀から広島駅までの間を散歩してきました🚶 この区間は路面電車が走っており、昨年夏に開通したばかりの 駅前大橋ルート を通ることでわずか 10 分ほどで移動できます。そんな繁華街と新幹線駅の間を、広島の街を眺めながらのんびり歩いて移動してみました。
スタート地点は 広島の中心市街地である紙屋町・八丁堀エリア に位置する紙屋町交差点。広島のメインストリートである相生通りと、広島城の南端から南北方向へと伸びる鯉城通りが交差する地点で、路面電車もしくは新交通システムの路線が東西南北それぞれの方向へと伸びています。
周辺には百貨店や大型の商業施設、オフィスビルに銀行のような金融機関などが集まり、まさにオフィス街という雰囲気。車の交通量や通行人の数も多く、非常に賑やかです。
特徴的なのは、なんといっても 広島電鉄 の路面電車が本当にたくさん行き交っているところ。交差点の東側には 紙屋町東電停 が、西側には 紙屋町西電停 が、そして南側には 本通電停 があり、それぞれ広島駅方面や広島市役所・広島港方面、宮島口方面など様々な場所と繁華街である紙屋町・八丁堀エリアを結んでいます。
広島電鉄の路線は、会社案内のページ によると鉄道・軌道合わせて 34.6km あり、この路面電車網は日本最大のもの。営業距離、車両数、利用者数と、どの数字も路面電車としては日本一なのだとか。さすがは政令指定都市であり、中国地方最大の大都市といったところです。
路線図を見ると、路面電車とは思えないほど縦横無尽に路線が張り巡らされており、その規模に改めて驚かされます。市内中心部から少し離れたところをぐるっと囲むように走っている JR 山陽本線があり、それを補うような形で JR の各駅と広島の中心市街地を結ぶ路線が整備されているのかな?という印象を受けました。
北方向へ伸びる路面電車はありませんが、代わりに アストラムライン という新交通システムの路線が鯉城通りの地下に通っていて、起点となる 本通駅 から JR 線との乗り換え駅である 新白島駅 と 大町駅 などを経由して、終点の 広域公園前駅 まで伸びています。
そんな紙屋町交差点を出発し、まずは東へと歩いていきます。中央の路面電車に目が行きがちですが、歩道には路線バスの停留所も整備されていて、バスが走っていく様子も頻繁に見かけたので本数もかなり多いように感じました。これだけたくさん路面電車が走っているならバスは通っていないか、たまに来る程度なのかな?と思っていたので、これは少し意外でした。
道路の左右には、少しお堅い感じの外観のビルが並びます。コンビニや塾、クリニックなどがテナントとして入居しているビルもちらほら見られますが、飲食店は少なくとも大通り側から見た限りではあまり無いなという印象。銀行や証券会社の看板がとにかく多く、この場所が広島の金融の中心地であることが窺い知れます。
路面電車の紙屋町東電停と八丁堀電停の間にある 立町電停 付近では、大規模な工事が行われている現場もありました。こちらは 基町相生通地区市街地再開発事業 という再開発が行われている場所のようで、高さ約 160m、地上 31 階建てという高層ビルが建設されるそう。
竣工は来年 2027 年春を予定しているとのこと。紙屋町・八丁堀(カミハチ)地区内外のヒト・モノ・コトが交わる場所にしたいという想いから「KAMIHACHI X(カミハチクロス)」という名前になるのだとか。
八丁堀交差点に近づくにつれて、周囲は金融機関から商業施設の割合が高くなっていきます。福屋八丁堀本店 や 広島三越 といった重厚感あるどっしりとした外観の百貨店が連なり、その近くには「銀座」ならぬ「金座」の看板を掲げる 広島金座街商店街 という商店街がありました。
地図を見てみると、広島金座街商店街のある相生通りの南側にはいくつもの商店街が密集しているエリアになっているようで、大通りから見ているだけでもかなり多くの人々が集まっているのが分かります。先ほどの紙屋町エリアが金融・ビジネスの中心だとするならば、こちらの八丁堀エリアは商業の中心といった感じでしょうか。
百貨店の外観の影響もあってか、なんとなく「歴史ある古くからの街の中心」という雰囲気が感じられる街。歩道にはあまり目立たずさり気ない感じで「広島城八丁堀外濠跡」と刻まれた石碑のようなものが設置され、この場所に広島城のお堀があったことを現代に伝えていました。広島城があるのはこの場所から見て北側なので、もしかしたらここから南側は城下町として発展してきた場所なのかな?などと想像することができますね。
相生通りを真っすぐ東へ歩いていくと、見えてきたのが京橋川という大きな川。京橋川沿いでは「京橋川オープンカフェ」という、広島の豊かな水辺を活用し「水の都ひろしま」にふさわしい都市空間を創造するための取り組みが行われているそう。
お散歩の途中でフラっと立ち寄ることができるようなカフェやケーキのお店、オシャレなウッドデッキやテラス席で美味しいお料理をいただくことができるお店、そして広島といえばの牡蠣を食べることができるお店などがあるようです。ちょっと大人な雰囲気のオシャレな水辺エリア、といった感じでしょうか。
橋の中央にはもちろん路面電車の線路。広島市内のお散歩は常に路面電車と共にあるようです。線路の向こう側には密集する建物と自然が調和した素敵な景色が広がっており、柳橋という歩行者専用の細い橋と、自動車が列をなしている交通量が多そうな道路の姿が見えます。
この稲荷大橋という橋は、かつては電車専用の橋だったそう。広島は日本人なら誰しもが知る通り、人類史上初めての原子爆弾による攻撃を受けた都市。稲荷町電車専用橋は爆風によってレールが上下左右に波打ち、熱線により枕木が焼け焦げました。
電車専用の橋ではあったものの、下流の柳橋が焼け落ちてしまったこともあって市内中心部から郊外へと避難するために多くの被爆者がこの橋を歩いて渡ることになりました。橋の下では、原子爆弾によって亡くなった方々が浮かぶ川に、水を求める人々が殺到したといいます。世界情勢が不安定な昨今、この場所で起きたようなことが二度と繰り返されないようにと願うばかりです。
稲荷大橋を渡ると、見えてくるのは稲荷町というやたらスタイリッシュな見た目をした路面電車の電停と、山陽新幹線も停車する JR 広島駅 から伸びる駅前通りという大通り。この南北に伸びる駅前通りの中央に敷設された路面電車の線路が、昨年 2025 年 8 月に開業した「駅前大橋ルート」の線路です。
新たに開通した全長 1.1km の新線「駅前大橋ルート」により、広島駅から今回の出発地点である紙屋町・八丁堀エリアへの移動時間が約 4 分短縮。およそ 10 分ほどで移動することが可能になりました。
稲荷町交差点で進行方向を北へと変えて歩いていくと、路面電車の駅前大橋ルートを整備していると書かれた工事の看板の姿が。既に路面電車が走っている駅前大橋ルートですが、工事について書かれた青色の看板には 2029 年 3 月末までと書いてあったので、まだまだ工事が続けられるようです。結構長い。
駅前通りを歩いていくと、見えてくるのが駅前大橋という立派な橋。この駅前大橋を通ることから、路面電車の新線は「駅前大橋ルート」と名付けられたのでしょう。気がつけば日も沈みつつあり、橋の上からはオレンジ色の夕日に照らされた水面や建物が美しく輝いている様子を眺めることができました。
橋の中央を通っていた線路は、途中から徐々に高いところへと上っていきます。道路の真ん中を通るはずの路面電車の線路は、そのまま正面にそびえる新しい広島駅の駅ビル「minamoa(ミナモア)」の 2 階部分へと突っ込んでいくことになります。
新幹線の改札を出て、広々としたアトリウム空間に路面電車の駅が整備されているのを見たときも「すごい光景だな」と感じましたが、駅前大橋側から線路が駅ビルへと乗り込んでいくところを見ると、より一層圧倒されるようです。
駅前大橋を渡った後は、地下道を通って広島駅へ。地下に潜るとすぐ道に迷って迷子になることに定評がある私ですが、案内看板が設置されていたので無事広島駅へとたどり着くことができました。
広島の繁華街である紙屋町・八丁堀エリアから、山陽新幹線も停車する広島の玄関口・広島駅までを歩いて移動してみましたが、常に隣を路面電車が走っているというのが新鮮でワクワクしましたし、楽しかったです。
移動にかかった時間はおよそ 40 分ほど。少し距離はありましたが、広島城を中心に街づくりが行われていた時代から戦前・戦後の頃、そして現在進行形で工事が行われている現代までの、広島という街の歴史を感じられたのが非常に良かったです。おつかれさまでした。